リアスアーク美術館
Rias Ark Museum of Art

 ■竣工年:1994年 ■所在地:宮城県気仙沼市 ■建築設計:早稲田大学石山修武研究室

 

60Mのロビー家具   コラボレーション

美術館の全長60mのロビーに貫入した幅1.8mの
家具は、前庭空間から建物の中を貫通してガラス
の展望室へと続いています。掘り出された化石の
ように大地の起伏に埋もれ、あるいは突き出し、
クレバスのようなトップライトや膨らみ歪んだ漆
喰の壁などに呼応しながら場を作り出しています。
1.8mの幅で床に高低差を設けることで、人々の
活動や身体を支え、行為をゆるやかに規制すると
ともに、受付案内カウンター、チケットカウンタ
ー、ミュージアムショップレジカウンター、公衆
電話コーナー、自動販売機コーナー、ビデオ視聴
コーナー、ロビーベンチ、展望室誘導手すり、展
望ベンチ、などの様々な機能を集約した一連の造
形物とすることにより、吹抜けロビー空間を成立
させる「場」を提供する装置となっています。積
層したMDFボードを削り出すことによってうま
れる圧倒的な重量感とボリューム感に満ちた塊の
魅力的な形は、人の手肌に近い質感とディテール
を成しています、。エスキースを重ねて見つけた
フォルムのモデルと図面を基に、職人の手により
削り出され更に磨かれ研ぎ出されてきた形です。
こうして生まれた小さな形こそが、人々の触感覚
を醒し、展望室へと導き誘い、鮮烈な空間体験の
記憶となる大きな力であると考えます。
建築の主構造にも深く係わるロビー家具のあり様
は、設計初期から参加するコラボレーションによ
って初めて可能となるものであり、沢山のコラボ
レーションの事例の中でも最も代表的なものです。







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