|
60Mのロビー家具 コラボレーション
美術館の全長60mのロビーに貫入した幅1.8mの 家具は、前庭空間から建物の中を貫通してガラス の展望室へと続いています。掘り出された化石の
ように大地の起伏に埋もれ、あるいは突き出し、
クレバスのようなトップライトや膨らみ歪んだ漆 喰の壁などに呼応しながら場を作り出しています。 1.8mの幅で床に高低差を設けることで、人々の 活動や身体を支え、行為をゆるやかに規制すると ともに、受付案内カウンター、チケットカウンタ ー、ミュージアムショップレジカウンター、公衆 電話コーナー、自動販売機コーナー、ビデオ視聴 コーナー、ロビーベンチ、展望室誘導手すり、展 望ベンチ、などの様々な機能を集約した一連の造 形物とすることにより、吹抜けロビー空間を成立 させる「場」を提供する装置となっています。積 層したMDFボードを削り出すことによってうま れる圧倒的な重量感とボリューム感に満ちた塊の 魅力的な形は、人の手肌に近い質感とディテール を成しています、。エスキースを重ねて見つけた フォルムのモデルと図面を基に、職人の手により 削り出され更に磨かれ研ぎ出されてきた形です。 こうして生まれた小さな形こそが、人々の触感覚 を醒し、展望室へと導き誘い、鮮烈な空間体験の 記憶となる大きな力であると考えます。 建築の主構造にも深く係わるロビー家具のあり様 は、設計初期から参加するコラボレーションによ って初めて可能となるものであり、沢山のコラボ
レーションの事例の中でも最も代表的なものです。
|